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6つのパス

'20.01.18

6つのパスとは6つの経路のことです。これは競争のない新市場を創造する戦略です。競争のない新市場のことを「ブルーオーシャン」といい、ブルーオーシャンを考える際に6つのパスの戦略を使います。

経路1:代替品・代替産業

自社の競合は同業種の他社とは限りません。もちろん同業種の他社は競合ですが、異業種にも競合がいるということです。例えば、マクドナルドの競合はロッテリアやモスバーガーなどだけではありません。マクドナルドを利用するお客様のことを考えてみましょう。マクドナルドをランチで利用するお客様をターゲットにするならば、マクドナルドの競合は、ロッテリアやモスバーガーなどだけでなく、お弁当屋さん、スーパーマーケット、ランチ提供店など様々なところとなります。

このように「代替品」となる場合とは別に、用途はまったく異なるけれど、ある目的に着目した場合に代替になり得る場合もあります。例えば、カラオケとパチンコを考えてみましょう。カラオケは歌を歌う目的で入店するところ、パチンコはギャンブル性のある遊びをする目的で入店するところです。先ほどのように「お昼を食べる」という目的というように入店の目的は一致しないのが通常です。しかし、次の予定まで1時間空いてしまった人が、1時間という時間をつぶす目的で入店する場合を想定してみて下さい。この時、カラオケを選ぶ、パチンコを選ぶ、喫茶店を選ぶ、美術館を選ぶなど、選択の余地はたくさんあるわけです。もともと各施設のターゲット層はまったく異なるのに、ある目的に特化すると、その目的という意味では代替となりうるわけです。

経路2:業界内の別戦略

A社とB社は同じ「教育産業」という業界内にいるとします。A社は子供相手、B社は社会人相手とします。同じ業界内でもターゲット層が異なれば異なる戦略をとっているはずです。しかし、ターゲット層が異なる同じ業界のやり方、考え方、戦略等を見ると、自社の今後の展開において大きなヒントとなることもあります。

経路3.顧客の連鎖

顧客と一言で言っても、顧客=利用者とは限りません。例えば、ランドセルの利用者は小学生です。しかし購入者は父母や祖父母です。また、顧客=利用者であったとしても、顧客が単独で判断しない場合もあります。例えば住宅を購入する場合、顧客=購入した住宅の利用者は20代~40代位の人であるケースが多いと考えられます。しかし購入前に両親や知人などに相談をし、その人の意見に従うことがあります。つまり、顧客だけを見ていてはわからない、顧客の心理に影響を与える人の存在があるのです。

経路4.関係業界、補完材

ある商品が売れる時、関連商品も一緒に売れることが多いです。例えば、パソコンを購入した人は、プリンター、プリンターのインク、マウス、延長コード、パソコン用の机なども一緒に購入する可能性があります。パソコンのメーカーやプリンターのメーカーだからといって、そのものだけを見るのではなく、関連する商品にも目を向けると色々なビジネスチャンスが見えてきます。

経路5.機能志向と感性志向の切り替え

人が商品を購入する時、特定の機能を重視して購入する場合と、デザイン性やブランドのイメージなどといった感性を重視して購入する場合とがあります。例えば、ノートパソコンを購入するとします。この時、ワープロ機能と表計算機能とメールとネット検索ができればよいという機能を重視して購入するのであれば、どのノートパソコンでもほとんど対応できるでしょう。しかし、キーボードの配置はこういうものがよいとか、このメーカーのものが良いとか、このデザインが良いとかなど、感性によって選択されるケースは多々あります。

逆に、おしゃれという感性を前面に出してビジネスをしていた理容業界、美容業界の中には、「機能性」を前面に出したビジネス戦略をとっているお店もあります。短時間で最低限のカットだけを安く行う美容院や理容院です。

このように機能志向を重視していた企業は、少し感性志向を取り入れられないかを検討したり、感性志向を重視していた企業は、少し機能志向を取り入れられないかを検討したりすると、今までに見えていなかったものが見えてくることがあります。

経路6.将来の洞察

事業計画を立てる際にも必ず行う外部環境の検討。法律、社会、経済などの外部環境が今後どのように変化していくのか、その変化によって顧客のターゲットがどう変わるのか、顧客のニーズがどのように変わるのかなどを常に予測していくことが重要です。新しいターゲット層に向けた対策を考えたり、新しいニーズに応えるための対策を考えたりするとよいでしょう。