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知的資産とは?

'20.01.18

知的資産の定義

知的資産には、人材、経営理念、技術、ノウハウ、組織力、ネットワーク、ブランド、特許等があります。これらの共通点が知的資産の本質なわけですが、なかなかわかりにくいですよね?これらの共通点は、企業内にあるけれど財務諸表には表れにくい強みで、企業の競争力の源泉となっているというところです。

つまり、知的資産とは、決算書の数字の「資産」の部分には出てこないけれど、会社を支えている重要な強み、他社にはない強み、ということになります。

京都では、知的資産のことを「知恵」と呼んでいます。知恵の経営ナビゲーターといって、知的資産を活かした経営の支援者もいち早く養成していました。弊所代表もこの知恵の経営ナビゲーターとなって登録されています。京都は「知的資産」のことを「知恵」という言葉で非常にわかりやすく説明されていると思います。「知恵」というのは、「こだわり」「工夫」「手間」「不合理」などです。他社と差別化を図っている企業の宝といえますが、これらは他社が簡単にまねることはできません。こうした知的資産が商品サービスの差別化を生み、ファンとなる顧客を作っているのです。

知的資産と知的財産の違いは?

今、知的資産とは何かについて記載しましたが、以下は近畿経済産業局のサイトに掲載されている知的資産の定義です。

「知的資産」とは特許やブランド、 ノウハウなどの「知的財産」と同義ではなく、それらを一部に含み、さらに組織力、人材、技術、経営理念、顧客等とのネットワークなど、 財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称を指します。「知的資産」は企業の本当の価値・強みであり、企業競争力の源泉です。企業経営・活動は、知的資産の活用なしには成り立たないものなのです。

では、知的財産とは何でしょうか?

知的財産と聞くと、法律で定められていて「権利」として認められる「知的財産権」を想像される方も多いと思います。特許権、商標権、意匠権、実用新案権、著作権などですね。こうした権利化された知的財産のことを「知的財産権」といいます。知的財産という場合、こうした権利化されたもののほか、法的に権利化されていないブランドやノウハウなどがあります。権利化はされていなくても、こうした知的財産も不正競争防止法などで保護されています。

さて、知的資産と知的財産は、「資産」と「財産」という言葉の違いとなるわけですが、辞書をひいてもほぼ同じ意味ということで、非常に混乱しやすいわけです。これは専門用語なので、そういうものだと思っていただくしかないのですが…こういう混乱を招かないという意味でも、京都が知的資産のことを「知恵」という言葉で表現しているのはわかりやすくていいですね。

知的資産は知的財産よりも広い概念です。知的資産の一部に知的財産(知的財産権を含む)があります。しかし、知的資産は知的財産の他に、人材、経営理念、組織力、技術力、ネットワーク力、データベースなど個々の企業にしかない強みも含んでいるのです。こうした知的資産は企業競争力の源泉となる資産となっているのです。