お役立ち情報

知的資産の4つの特徴

'20.01.18

知的資産は決算書の数字には出てこない、目に見えづらい強みですが、この知的資産にはどのような特徴があるのでしょうか?以下では知的資産の特徴について述べます。

知的資産の汎用性

建物、機械、書籍、鉛筆、自動車などの物的資産は、ある物を1人が使っていたら同じ物を他の人が同時に使うことはできません。しかし知的資産は多くの人が同時に利用することができます。例えばテレアポのノウハウについて考えてみましょう。いつ、こういうところに電話して、こういう順番で、こういうことを伝える、というノウハウがあったとします。そのテレアポのノウハウを使ってXさんが電話営業を行うとします。その電話営業のノウハウは同時にYさんも使うことができます。つまり、知的資産であるノウハウそのものは複数の人が同時に使うことができるというわけです。

知的資産の利用による価値の増大

例えば建物は、建設して年月が経てば経つほど劣化するため、価値が下がっていきます。機械も同じですよね?機械を購入して使っていれば故障しますし、故障を修理しながら使えば使うほど老朽化していきます。このように物的資産は利用すればするほど価値が下がっていくのが普通です。(土地のように需要と供給のバランスで価格が変わる物的資産もあります。)

しかし知的資産は使えば使うほど磨かれて価値が増大するのです。例えば技術力を考えてみましょう。技術力は使っても価値が下がることはありません。むしろ技術力は使えば使うほどスキルが上がって充実していきます。ブランド力も同様です。ブランド力が構築され、認知されてくると、ブランド力を磨く努力をすればするほどブランド力の価値は増大していきます。このように知的資産は適正な利用をすれば、価値は増大していきます。

ただし、適正な利用をしなければむしろ価値は下がりますので注意が必要です。例えば、ブランド力に甘えて粗雑な顧客対応をしたり、粗悪品を提供したりすれば、ブランド力が下がるというのは簡単にイメージはできると思います。

知的資産の模倣困難性

知的資産・・・人脈、経営理念、技術力、ブランド力、データベース、組織力などをイメージしてみて下さい。経営理念はその言葉をまねることは簡単ですが、本質をまねることは難しいですよね?ブランド力も構築するまでに多大な努力と時間が必要です。このように知的資産1つ1つを取ってみると、誰にでも同じ結果を生み出せそうなものがありますが、他の企業の知的資産の一部を真似したとしても、必ずしも同じ結果を導き出せるとは限りません。つまり知的資産の本質的な部分を模倣することはできないのです。

知的資産の関連性

知的資産の1つ1つを捉えてみると、それぞれが独立したものに感じます。しかし、知的資産1つだけあってもその知的資産の効果を十分には発揮できません。例えば、A社に精度の高い加工技術があるとしても、それはその精度を出せる従業員がいるからこそなのです。従業員も知的資産の1つです。技術力も知的資産の1つです。このバラバラの知的資産の融合が企業の差別化を図っているのです。

ノウハウも同様です。貴重なノウハウを記載したノートがあったとしても、そのノウハウを活かせる企業風土、活かせる人材、そのノウハウをアピールする力などがなければノウハウを活かすことはできません。また、そのノウハウを営業秘密として管理する力がなければ、他の企業から模様されてしまうかもしれません。このように知的資産は、単独でその力を発揮するというよりも、様々な他の知的資産と相まって高い評価を受けるものとなっているのです。