お役立ち情報

7S分析とは?

'20.01.18

7Sとは?

7S分析は、アメリカのマッキンゼーというコンサルタント会社によって提唱された企業戦略における7つの要素の関連性を示したものです。7Sとはハードの3Sとソフトの4Sとに分かれます。ハードの4Sは変化をさせるのに時間を要し、ソフトの3Sは比較的変化させやすいものとなっています。

  • ハードの3S(組織の構造に関するもの)
    (1)戦略(Strategy):競争優位性を維持するための事業の優位性や方向性
    (2)組織(Structure):企業の形態や組織構成
    (3)システム(System):人事評価精度、採用制度、会計制度などの組織の仕組み

 

  • ソフトのS(人に関するもの)
    (4)価値観(Shared Value):従業員で共有している企業の価値観
    (5)スキル(Skill):営業力、技術力、販売力など企業全体の能力
    (6)人材(Staff):経営者や従業員個々人の能力
    (7)スタイル(Style):社風、企業文化

これらを図式化すると下記のようになります。

https://www.mckinsey.com/business-functions/strategy-and-corporate-finance/our-insights/enduring-ideas-the-7-s-framework より引用

4Sの重要性

ハードの3Sを変えようと思っても、すぐには変わらないことはおわかりだと思います。組織を変化させようと思うと、ソフトの4Sから取り組むことになります。比較的変化させやすいソフトの4Sとはいえ、長い年月をかけて培ったものなので、企業内で重要な要素となっています。このソフトの4Sの重要性をしっかりと認識した上で変化させていく必要があります。

・価値観(Shared Value)の重要性

図を見ると明白ですが、価値観は真ん中にあり、他のすべての要素の要となっています。価値観がぶれると他の6つのSはすべて(ハードもソフトも)まとまらなくなります。1つ1つの企業が有している価値観はすべての基礎となっており、その価値観に人が共感し、企業活動ができるので、この価値観を社会へ発信していくことは非常に重要です。

・スキル(Skill)の重要性

営業力、技術力、販売力などの企業全体の能力は、他社と差別化できるポイント、つまり競争力の源泉となっています。企業内にどのようなスキルがあるのかを丁寧に洗い出し、さらに伸ばすにはどうしたらいいのかを考えると、より強いスキルを構築できます。また課題がどこにあり、それを解決するにはどのようにすればいいのかを定期的に見直すことで、より強い企業となることができます。企業のスキルを認識し、より効果的な活用方法を考えることは重要です。

・人材(Staff)の重要性

人材はその企業にしかいない知的資産の1つです。特に中小企業や小規模事業者においては人材不足が指摘されています。その中で社会は「働き方改革の推進」が進んでいますので、より少ない人材で効率よく業務を行っていくことは大切です。効率化を行う中で、粗雑になってはいけないものもありますが、ここを誤ると企業の信頼力低下につながっていきます。そうならないように企業を支えてくれるのは、企業理念を理解し、実践できる人材となります。そのため、企業理念を理解し、困ったら理念に立ち返って企業にとって正しい判断ができる人材を育成していくことが重要です。

・スタイル(Style)の重要性

社風や企業文化は自然とその企業の特徴を表します。良い社風や企業文化の企業には魅力的な人材が集まってきて、人材の定着率も良くなります。このようなことは社会的な信頼にもつながってきますので、いかに良いスタイルを構築するのかは非常に重要です。

 

このようにソフトの4Sがきちんと確立していくことは、ハードの3Sが確立していく元となってきます。逆にハードの3Sを見直したいのであれば、それに合わせてソフトの4Sから見直していく必要があるといえます。