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SWOT分析・クロスSWOT分析とは~

'20.01.18

SWOT分析とは?

SWOT分析とは、1960年代から1970年代にスタンフォード大学のアルバート・ハンフリー教授により構築され、 ハーバード大学のビジネススクールで昔から使われてきたマーケティング分析のツールです。

ビジネスにおいて目標を達成するために、外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) という4つのカテゴリーで要因を分析します。つまり「会社にどのような強み・弱みがあるのか」「商品サービスにどのような強み・弱みがあるのか」「会社をとりまく外部環境にどのような機会・脅威があるのか」などを分析するのです。

1.強みと弱み・・・商品サービス、企業の規模、立地、原材料、設備、ブランド、企業風土、価格など

2.機会と脅威・・・流行、法制度、経済状況、人口の推移、環境の変化、競合他社の動向など

1の強みと弱みについては、会社自身の強み・弱みや商品サービスに関する強み・弱みです。昔から会社の資源は「人・モノ・金」と言われてきました。近年はこの3つに「情報」を加えて言われることがありますが、このような資源だけが強みや弱みの対象ではありません。会社の強み・弱みには、従業員1人1人が有している強み、会社の理念、顧客からの信用力、会社のブランド力などといった決算書の数字に表れにくい強みや弱みも含まれます。こうした強み(知的資産)をしっかり認識し、経営に生かしていくことが重要です。

2の機会と脅威については、自社にとって機会となっている(これから機会となる)要因と、自社にとって脅威となっている(これから脅威となる)要因とに分けて整理することが大切です。そして、競合他社の動きがどうなっているのかを調べて書き出すことも重要です。

SWOT分析の目的

SWOT分析はどのような目的で使われるでしょうか?SWOT分析を使う目的は、主に経営戦略とマーケティングの策定が多いです。

1.経営戦略の策定

SWOT分析は、経営者が経営戦略を策定したり、目標を設定したりする際に活用されます。SWOT分析は、きちんと分析することができれば、事業戦略を見直したり、事業戦略の精度を向上させたりすることができます。なぜなら、内部環境と外部環境を分析することから、多角的な視点で会社を見ることができ、様々なことを検証することができるからです。

会社は既存の事業をいかに発展させていくかということと、新規の事業をどのように展開していくのかという戦略を立てます。SWOT分析は、新規の事業展開の時に有用なのはもちろんのこと、既存の事業がどのような状況なのかを見極める際にも有用です。すなわち、現在の外部環境、将来の外部環境のもとで現在の事業がどのようになっていくのか、現在の内部環境の何をどのように生かすべきなのか、現在の内部環境にどのような問題点が隠れているのかを見極め、今後の戦略を立てていく必要があります。

また、SWOT分析をは定期的に実施し、適切な事業展開をはかる必要があります。

2.マーケティング戦略の策定

SWOT分析は、上記で述べたように会社が既存の事業や新規の事業の戦略を策定する時だけではなく、マーケティング戦略を立てる際にも有用な分析ツールです。

商品のマーケティングを策定する際、競争優位性を見極め、市場におけるニーズを探り、ビジネスチャンスがあるのかどうかを適切に見極める必要があります。外部環境と内部環境を丁寧に見ていくSWOT分析は、ある商品サービスは撤退すべき事業か否かを判断したり、自社が優位性を築けるのに見逃してしまっているビジネスの機会があるか否かを判断したりするのに有用です。

クロスSWOT分析のやり方

企業の強み、弱み、外部環境の機会、脅威を書き出したら、マトリックスにします。すなわち、強み×機会、強み×脅威、弱み×機会、弱み×脅威の4つのマトリックスにして分析します。

強み×機会でさらなる強み構築を考えていきます。どんな強みを、どんな機会に、どのように生かしていくのかを考えると、オンリーワンやナンバーワンを狙える差別化戦略を構築できるかもしれません。

強み×脅威で脅威に打ち勝つためにどんな強みをどのように発揮していくのかを考えていきます。脅威におびえるより、自社の強みをどのように発揮するのかを考え、強みで脅威を打ち負かすくらいの心意気をもつのも大切かもしれません。しかし、大きな脅威が想定され、強みだけでは太刀打ちできなさそうだと判断したならば、撤退も含めて考慮します。

弱み×機会で弱みを克服する、あるいは弱みに打ち勝つために、どんな機会をどのように活かしていくのかを考えていきます。素晴らしい機会に恵まれているけれど、それを実現するためには弱みを克服しなければならないこともあるでしょう。しかし、機会を活かそうと思うあまり、弱みを克服したり、弱みをカバーすることが事業を圧迫するような事態になってしまってはいけません。その匙加減は十分に考えていくべきです。

弱み×脅威では撤退すべき事業の選択をしていきます。しかしこのマトリックスに該当するものをすべて撤退させるかどうかはもう少し考慮する必要があります。何かをずらせば生き残らせることができるからです。つまり、弱み×脅威というマトリックスから他の3つのどれかのマトリックスにシフトさせるのです。そうすれば撤退させる必要がなく、今まで培ってきたものを活かすことができる可能性も出てきます。