お役立ち情報

PEST分析とは?

'20.01.18

PEST分析とは?

PEST分析は、ノースウェスタン大学ケロッグビジネススクールのフィリップ・コトラー教授が提唱したものです。コトラー教授は、「コトラーの戦略的マーケティング」という著書の中で、環境を分析することが大切である旨を記しています。

PESTとは、政治的(P=political)、経済的(E=economic)、社会的(S=social)、技術的(T=technological)の頭文字を取った用語です。外部環境の中でも市場に影響を及ぼすマクロ環境を把握して、各々の外部環境が今後自社へどのような影響を及ぼしていくのかを考えていくフレームワークがPEST分析です。

1.P:政治的・・・規制緩和や規制強化、新法の制定、現行法の改正、税制改正、裁判所の判決の動向、海外の政治情勢、為替の動きなど

2.E:経済的・・・景気、物価、経済成長率、国民総生産(GNP)、国民総所得(GNI)、金利の動向、株価の動向、為替の動向、原油価格の動向など

3.S:社会的・・・人口推移、出生率、流行、自然環境、二酸化炭素排出率、ライフスタイル、宗教、犯罪発生率、教育水準、雇用調整、人材確保の環境など

4.T:技術的・・・特許出願数の推移、技術の進歩、新技術普及率、標準化競争、技術力競争など

PEST分析を行うことで、どの市場にどうやって参入するか、将来どんなことが生じる可能性があるのか、自社はどんな戦略を打ち立てていくのかなどを柔軟に組み立てることができます。

また、PEST分析を行う際は、海外にも目を向けることが大切です。海外進出を考えている場合だけでなく、海外の政治情勢や経済情報も国内に様々な影響を与えるからです。

PEST分析を行う際の注意点

PEST分析を行う際、情報を得る時点では点としての数値であっても、それを単なる点としての数値として把握せず、流れの中の1点であることを意識することが重要です。

例えば、ある日の為替相場が1ドル=120円だったとします。この数字だけ見て円高なのか、円安なのか判断できるでしょうか?判断できないというのが正解ですよね。

1ドル=80円台まで進んだことがあるから、120円だったら円安だろうという意見もあれば、昔は1ドル=360円だったんだから、それと比べれば円高だろうという意見もあるでしょうから。

つまり、比較する数値がなければ、特に数値化されるものに関しては評価できないのです。そのため、PEST分析において数値化されたデータの情報を取得する際は、必ず推移や流れを把握できるように気を付けましょう。

次に、PEST分析を行う際は、リスクとなる外部環境がピックアップされた際に、解決策や回避策、危機管理なども同時に考えていくことが大切です。PEST分析によって撤退する事業も出てくるかもしれませんが、撤退という判断を下すのは企業にとって非常に大きな決断となります。一度構築しようと思ったビジネスは、少々厳しいPEST分析の結果を見ても、実行していく可能性は十分にあります。

その際、PEST分析でこれだけ厳しいんだからやっても無駄、という視点ではなく、何をどうしたらこの環境で打ち勝つことができるのか?を考えてみて下さい。そのものズバリの解決策でなくても、少し何かを変えるだけでオンリーワン企業、ナンバーワン企業となれる可能性を秘めています。

是非、状況把握のみならず、その状況への対応策、その状況下で行う際のリスク回避策、危機管理などの視点で考えてみて下さい。