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ローカルベンチマーク(ロカベン)とは?

'20.01.18

ロカベンとは?

ローカルベンチマークという言葉をお聞きになったことはありますか?
ローカルベンチマークのことを略して「ロカベン」と呼ぶこともあります。
ロケベンのようにお弁当の名前のように感じるかもしれませんが、お弁当ではありません。

ローカルベンチマーク(ロカベン)とは、企業の健康診断ツールとして、企業の経営者、金融機関、支援機関が同じ目線で企業と対話を行うための基本的な枠組みです。

数年前に金融庁の長官が代わってから、「事業性評価」ということが重視されるようになりました。つまり、担保や保証人を重視した融資ではなく、事業の成長性、経営者の資質などの非財務(知的資産)をしっかり把握して、評価していきましょう、というものです。

特に金融機関は「事業性評価融資」を行うことを推進されておりますが、事業性の評価を行うことはなかなか難しいものです。そこでこの事業性評価の入口として活用してもらいたいというのがローカルベンチマーク(ロカベン)というわけです。

ローカルベンチマーク(ロカベン)を活用することにより、経営者、金融機関、支援機関が同じ目線で話ができるという話を先ほど書きましたが、これは非常に重要な点です。

例えば、金融機関からの融資を受けたい経営者は、金融機関と話をする際に緊張をしてしまいます。金融機関も貸した企業が倒産されたら困るのでヒアリングに必死です。そんな緊張状態の中でヒアリングを行った時、どこまで会社や経営者の強みを引き出せるでしょうか?

事業性評価融資の際に判断基準となる決算書の数字には表れにくい強み(知的資産)は特に、経営者からいかにヒアリングで引き出すかが大切です。この知的資産を引き出すためには両者に信頼関係が必要なのです。これは金融機関と経営者のみならず、支援機関と経営者においても同じです。経営者、金融機関、支援機関が同じ目線で話をするためのツールがローカルベンチマーク(ロカベン)というわけで、企業がローカルベンチマーク(ロカベン)を積極的に活用すれば、金融機関や支援機関の担当者と話す際に緊張を和らげることができるわけです。

また、従来、一部の認定支援機関は、経営革新計画の策定において、自身はあまり関わらず、単に認定支援機関の印鑑を押印していました。しかし、これでは認定支援機関の意味をなさないわけです。そこで認定支援機関はローカルベンチマーク(ロカベン)をしっかりと活用して下さいね、という方針が打ち出されました。

つまり、認定された支援機関なのだから、企業をしっかり診断して下さい、そのツールとしてローカルベンチマーク(ロカベン)を使って下さい、というメッセージが託されたわけです。

ローカルベンチマーク(ロカベン)は金融機関にとって大変?

金融機関の大半は認定支援機関です。つまり、事業性評価などの際にローカルベンチマーク(ロカベン)を使って下さいね、となったわけですが…
一部の金融機関では手に負えず困っています。

なぜでしょうか?

金融機関には、昔、目利き力を持った担当者がたくさん存在していました。つまり、決算書を見て、経営者と話をすれば、決算書の中の数字からは見えない強みや課題を見出すことができる担当者がたくさんいたのです。また、そのような担当者になるように育てられたものです。そのため、今の「事業性評価融資」ということは当然のように行われてきました。

しかし、ある時から、担保や保証人を重視する融資制度へ変わっていきました。決算書の数字をはじめ、必要事項を入力すると格付けが出てくるわけです。その格付けに基づいて融資をすれば大丈夫、という風潮ができてしまいました。

その結果、当時から金融庁は2割程度は非財務(知的資産)をみようね、といっていたにもかかわらず、ヒアリングを行ったとしてもほとんど考慮されないで融資が行われるというケースも多くなりました。

すると、どうなるでしょうか?

金融機関の担当者の目利き力は落ちてしまいますし、新しく入ってくる人へ目利き力を教育する機会も失われてしまいます。こうして若手行員の目利き力が失われてしまった金融機関が増えてしまい、ローカルベンチマーク(ロカベン)を活用しよう、というと「大変だー」と手に負えなくなった金融機関も出てきたわけです。

でも、金融機関さんにはかなり優秀な方が多いので、こんな「困った」という状況もすぐに打破されると思います。

ただし、やはり最初に書いた、経営者さんと金融機関さんとの緊張関係というのはどうしても残るケースがあります。そんな時は、弊所のような第三者の専門家と共にローカルベンチマーク(ロカベン)に取り組んだり、別のもので金融機関さんへ企業の隠れた強みや事業計画を示したりするお手伝いを行うことができます。

実際、弊所へ事業計画のご依頼をいただいたお客様は、ヒアリングを楽しまれております。

「ねえねえ、関係ないけど話してもいい?話したい!長くなっちゃうけどゴメンね」
そんな経営者さんがお話される内容の中には強みや課題がたくさんあります。
経営者さんにとっては「関係ない」と思われていることも、第三者から見ると強みや課題って面白いですよね?

やはり緊張のない関係だからこそ見えてくるのです。
そして経営者さんも安心してお話できるのです。
これをシートにまとめてみると、経営者さんが金融機関さんとお話する際に自信をもってお話できるというわけです。

弊所はローカルベンチマーク(ロカベン)のみならず、経営レポートの作成、知的資産経営報告書の作成など、多くの知的資産経営支援を行ってきたからこそ、会社の魅力を引き出し、開示資料にすることができます。

お気軽にご相談下さいね。