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ローカルベンチマーク(ロカベン)で使う財務の指標

'20.01.18

ローカルベンチマークで使う財務の指標の種類

経営分析の本を読んだことはありますか?
経営分析の「基本」と書いてあるのに、出てくる指標の多さに驚いたことがある方も少なくないと思います。数を数えなくても、数十個は軽く超えていますよね?

決算書からすべての数字を出して、その数値を標準と比べて、なんてやっていたら、それはもう大変なことになりますよね…というか、たぶんやれないですよね。やっても出すだけで終わってしまう。それでは意味がないわけです。数字を出したら、その数字ときちんと向き合わないと意味がないわけですから。

ローカルベンチマーク(ロカベン)で使う財務の指標はたった6つです。6つ程度なら出してみよう、考えてみようとなりますよね。最初の一歩を踏み出すにはちょうど良い、そして会社を把握するには欠かせない財務の指標6つをローカルベンチマーク(ロカベン)では使用します。

ローカルベンチマーク(ロカベン)で使用する6つの指標とは、
①売上高増加率(売上持続性)
②営業利益率(収益性)
③労働生産性(生産性)
④EBITDA有利子負債倍率(健全性)
⑤営業運転資本回転期間(効率性)
⑥自己資本比率(安全性)
です。下記ではそれぞれの指標について触れてみます。

売上高増加率とは?

売上高増加率(売上持続性)=(当期売上高 ÷ 前期売上高)-1 × 100

これは、前期と当期を比べて、売上高がどれだけ増加したかという指標です。

例えば、今期の売上150円、前期の売上50円だったとします。

売上増加率=(150÷50)-1×100=200%
となります。

これはキャッシュフローの源泉であり、企業がどの成長ステージにいるのかを判断する指標となります。

営業利益率とは?

営業利益率(収益性)=(営業利益 ÷ 売上高)×100

これは、売上高のうち営業利益が占める割合を示した指標です。つまり本業の収益性を測る指標です。

例えば、売上高100円、営業利益70円だったとします。

営業利益率=(70÷100)×100=70%
となります。

労働生産性とは?

労働生産性(生産性)=営業利益 ÷ 従業員数

これは従業員1人当たりの生産性を示した指標です。

例えば、営業利益7万円で従業員が140人いたとします。

労働生産性=70000÷140=500円
となります。

EBITDA有利子負債倍率とは?

EBITDA有利子負債倍率(安全性)=(借入金ー現預金)÷(営業利益+減価償却費)

これは利子がある負債を何年かかれば返せるか?という指標になります。

これは具体的な数字を入れてもイメージしにくいと思いますので、具体例は省略します。

営業運転資本回転期間とは?

営業運転資本回転期間(効率性) = (売上債権+棚卸資産ー買入債務)÷月商

これは一月あたりの売上高と営業運転資本の比を示した指標です。

これも具体的な数字を入れてもイメージしにくいと思いますので具体例は省略しますが、この計算式で出てきた数字は、何月分の売上高に相当する営業運転資本が必要だということを示しています。

自己資本比率とは?

自己資本比率(安全性)

これは総資本のうち、自己資本はどれだけか?ということを示す指標です。
自己資本は返済する必要のない資本のため、自己資本比率が高い会社は資金の安定性が高いと考えられます。

6つの指標のために入力する財務データの種類は?

ローカルベンチマーク(ロカベン)で使う6つの財務の指標を出すには、決算書の何の数値を使うのでしょうか?決算書の数字をすべて入力するのは大変だと心配される方もいらっしゃると思いますので、上記6つの指標を出すために入力するデータを列挙します。

  • 最新期売上高
  • 前期売上高
  • 営業利益
  • 従業員数(正社員)
  • 借入金
  • 現金・預金
  • 減価償却費
  • 純資産合計
  • 負債合計
  • 売掛金
  • 受取手形
  • 棚卸資産
  • 買掛金
  • 支払手形

このほか、商号、所在地、代表者名、業種を入力するだけです。

決算書が苦手、数字ばかりで何かよくわからないという方でも、これだけなら探せますよね?